ファームステイの教育的役割



1.ファームステイを必要とする状況


2000年
以前
(過去)
 学級崩壊や、いじめ、不登校等といった教育における問題状況が深刻化していく中で、子どもたちが置かれている状況・環境を危機感を持って見る視点が社会の中に生まれました。
こうした状況下、行政もスクールカウンセラー制度導入や、総合学習の実施等を始めましたが、学校外での教育的試みや実践やはまだまだ多くはありませんでした。
私達のの「ファームステイ」事業は民間の草の根活動として子ども達の豊かな成長の場となることを目指してスタートしました。
2000年
(現在)
子どもを取り巻く危機的状況は現在も続いていると受けとめています。
子ども達の問題行動の一つの要因には、子どもたち自身の生活体験の不足があることは今や多くの人達の共通認識になっています。
子供の成長やその存在は、一面的にとらえるべきではなく、その意味において、過程・学校以外での生活体験や自然体験は、子どもの学びや成長の場として非常に価値のあるものだといえるのではないでしょうか。
しかし、こうした学校の外でインフォーマルエデュケーションとしての教育的要素を持った試みや実践が数少ない。
私達は「ファームステイ」事業を”もう一つの遊びの場”として提案したいと考えています。
2000年
以降
(近未来)
発達した情報社会の中で子ども達の子ども達の生活体験はますます深まっていくことでしょう。
学校5日制の実地や、総合学習などの取り組みが模索される中、学校以外の学びの場の確保は今後いっそう求められると考えます。




2.ファームステイの中長期的目標


T>
豊かな自然環境の中で、農作業やや農家の暮らしを体験することによって、子ども達の「食と人間」「食物連鎖の輪の中にいる自分」といった視点を育て、生きる力を育む。

U>
Tの目標達成の為に、優れた人材(スタッフ)の確保を目指したい。
 (例えば、ビオトープについて理論的に学んだ人、子どもの発達を研究している方等)

V>

子ども側の費用負担を軽減することにより、より多くの子どもたちに経験の機会を提供したい。

W>
様々な地域でその地域性を生かして本事業のような取り組みがなされることを望み、啓活動につとめる。



3.ファームステイの具体的な実践内容と目標


課題 課題へのアプローチ ファームステイの目標
自然の営みと自分との関わりを身近に感じるような農業(生活)体験を機会が乏しい。 様々な農作業を総合学習的な視点を持って、学習の場・教材として生かす。

以下は具体例


■鶏の解体から料理までを体験
  ⇒食物連鎖を身をもって学ぶ

■種まきから収穫までを体験
  ⇒植物(野菜)の生命の一貫性を学ぶ

■子どもがある程度自由に選択できるようメニューに工夫する

■子どもと生活を共にする青少年スタッフが「押しつけない教え込みすぎない」を心がける

■子どもたち自身によるミーティングを活発に行う
■五感を使った体験により、心と体、頭のバランスの取れた考える力の発達を促す

■自分の存在と自然とのかかわりを認識する機会となるべく援助する

■子どもたち1人1人の自主性、自立心の芽生え

■様々な場面で各自の個性を発見し伸ばす場とする
日常う生活において自分で考え行動うするといった子どもの主体性が育つ場・機会が乏しい。



4.ファームステイの理念や方針



前提となる理念として、私達は、農業には様々な教育的要素が存在していると考えています。

人間社会は農耕の始まりから文化を創ってきました。
その知恵を獲得することが本来の「学び」だったのではないでしょうか。

私たちはこういった視点から、農業を通じて、次の世代に生きることの意味を問いかけ、また、伝えたいと考えています。

さらに私たちが重要視しているのは(大人も含めて)生活体験の中から学ぶ機会を提供することです。
現代日本に生きる子ども達は、ビジュアル世代と呼ばれ、バーチャル体験は多くとも、実感の伴なった生活体験をする機会を奪われた社会の中にいます。

本当の痛みや温かさ、こういったものを、土や草に触れることで味わい、自分達も自然の一部なのだ、という感覚を取り戻して欲しいと私たちは切に願い、このような理念の下で「ファームステイ」を開催します。


-----------------------従って、「ファームステイ」の方針としては以下の二点に主眼を置いています。

@農業、生活体験のできる機会(メニュー)を盛りこんだ内容にすること


豊かな自然に環境(立地)と地域性、そして、実際に農家である。といった利点を生かし、農作業や料理を身を持って体験してもらう。
この実体験を通して、自然の一部である自己を見つめ、成長の機会になるべく援助する。

A自主性、自立心の育成の為「フリ−キャンプ」にすること


参加する子ども達の自主性の育成の為、また、自立心に乏しく”指示待ち人間”と呼ばれる世代である青少年スタッフの成長も視野に入れ、この両者の成長の場となるような「フリ−キャンプ」の形をとる。
「フリ−キャンプ」とは、従来のいわゆる#”プログラムの確定している”キャンプではなく、あらかじめ並行に進行するメニューをいくつか用意しておき、子ども達が(ある程度)自由に選び、自らの手でつくる(アレンジ)余地を残したキャンプのスタイルである。
これを実現するためには、講師やスタッフがあらかじめ組み合わせ、選択可能なフレキシグルなメニューづくりを工夫しておく必要がある。