【 農業と教育をむすんで町の活性化を 】


<はじめに>

 渥美町は農業の町です。温暖な気候と技術革新によって農産物の安定供給をはかり、全国でも有数の農業地域としての地位を確立してきました。農業の形態も露地野菜・施設園芸・畜産と複合的です。
 渥美町はまた、伊良湖岬を有する観光地でもあり、宿泊施設も数多くあります。
 子どもたちの実体験の必要性が求められている現在、この恵まれた自然環境、農業、観光地としての条件を生かし、学校からの遠足や社会見学に、また家庭や地域の子ども会などでの体験に、さらに地元の人たちとの憩いの場としても広く利用できる、農業と観光の町にふさわしい公園の建設を望みます。
 この公園での体験とあわせて、渥美の農業施設の見学や他産業の見学、観光や自然観察などを取り入れれば、渥美町の活性化にもつながることと思われます。



七ツ山と周辺の休耕田を利用した農業自然公園


<趣旨>
 
  泉地区に位置する七ツ山は、小中学校の校歌にも歌われ、地域の人々から親しまれてきた里山です。かつては山の自然にふれながら尾根を歩き、三河湾や太平洋をはるかに望むのが子どもたちの遠足のコースでした。周辺には水田が広がり、ため池も多くありました。山と水田、ため池、それに連なる海とが人々の生活にとけこみ豊かな農村風景をつくっていました。しかし、農業の近代化は人々が七ツ山に分け入る必要をなくしました。今では米づくりをする人も年々少なくなって、わずかに残るため池とセイタカアワダチソウが繁る休耕田が目立つ地域です。
 どろんこ村では今年、この地域で「田んぼの学校」
(資料1,2)を取り組みました。そして、山と海という恵まれた自然環境、つくり手のいない田んぼ、長年米づくりに携わってきたお年寄りの知恵などを生かせば、子どもたちの学びと遊びの場(農業自然公園)をつくるにふさわしい空間であると確信しました。
 当面、休耕田を利用した「体験と学習の場」をつくることを提案します。将来的には、七ツ山の自然を生かした自然歩道などもできれば、より充実した公園になることでしょう。


<構成>

 
 ・田んぼ   体験田(遊びの田んぼ)
合鴨のいる田んぼ
鯉のいる田んぼ
古代米(赤米・黒米)の田んぼ
裏作(小麦・レンゲ・菜の花など)
オーナー田んぼ
 ・ビオトープ (ホタルやトンボの里)
 ・ため池
 ・駐車場
 ・トイレ
 ・手洗い場
 ・更衣室



<体験内容>


 米づくり体験(田植え・草取り・稲刈り・脱穀)をメインに、田んぼでご飯炊き、田んぼで運動会、山や海のハイキング、オリエンテーリング、写生、近隣の農業施設や他産業の見学など組み合わせる。


<体験形態>

@学校教育の場で、ITなども使って、継続的な学習に活用できるようにする。
 ・日帰り
   遠足や社会見学
 ・宿泊
   修学旅行や学習旅行
 ・総合学習

A子ども会などの行事やキャンプなど、野外活動として利用できるようにする。

B観光やレジャーとして、家族連れやグループなどが楽しめるようにする。




<規模及び予算>

@支援事業として行う場合
  ・トイレ、手洗場、ビオトープなど       100万円

A町独自の事業として行う場合
  ・休耕田(1.5ヘクタール)を利用、活用   600万円

B県・国の補助事業を活用して行う場合
  (例・農村自然環境整備事業)       5,000万円




<特徴及び効果>

※自然環境の保持と稲作文化の継承
休耕田の活用ができる。
里山の利用
季節ごとの農村景観の維持
ホタルやトンボなどの復活

※教育的効果
五感を使って感性を育てる。
自然環境への興味を育てる。
いのちの循環を感じる心を育てる。
食と農をむすびつけてとらえられる。
地域社会と密着した教育ができる。
ITを使った教育ができる。
農業への興味と理解を深める。
地域の産業への理解を深める。
総合的な学習ができる。
体験にともなっての事前学習・体験後の学習ができる。

※人的効果
地域の活性化
人的交流の場になる。
若者のボランティアを集められる。

※経済的効果
宿泊客の増加と特産物の普及
他産業の活性化
農業と渥美の農産物の宣伝ができ、イメージアップにつながる。
建設・維持に多額の費用を要しない。


 どろんこ村で取り組んだ「田んぼの学校」では、東京や名古屋など都会からやってきた子、地元の農家の子など延べ500名近い子どもたちが体験を楽しみました。田んぼは、ぬるぬるした泥の感触、小さな虫や動物たちなど、ふしぎと多勢の子どもたちを夢中にさせます。「田んぼの学校」を題材にした環境教育ソフト作成のための助成金(資料4)もつき、来年3月には近隣の350の小学校に配布されることになりました。
 遠足や社会見学の受け入れには、他産業も含めての体験メニューづくりが求められます。この取り組みを通じて、地域内のネットワークづくりもできるでしょう。さらに、同じような取り組みをする他の市町村や団体などともネットワークを広げていくことも可能でしょう。


→渥美町役場「まちづくりアイデア」