土から学んだこと  2002/01/12


  お正月を故郷の豊橋でのんびりと過ごした。元旦は暖かな日差しでしたが2日には大粒の雪が降り出した。三河湾を望む丘には温泉があり、私は雪がふる中、朝から露天風呂につかって海を眺めていた。
 こんなに寒くなってからの報告ではあるが、前回のコラムでお伝えした黒米(古代米)が昨年の秋、たわわに実り、収穫をしてきた。
よかったら写真を見比べていただきたい。
小さな小さなひょろっとした苗がどっしりと根を張り、たくさんの黒いお米が重そうに頭を垂れていた。ザクザクと鎌で稲を刈り、わらで編んだひもでまとめ、昔、教科書で見たような足踏み脱穀機で豪快に脱穀していった。

 今回も昨年同様、黒々とした古代米と再会することが出来た。毎年同じことを繰り返しているようだが、今回は特に学ぶところが多かった。「土」である。土は生きている。

わずかひとつかみの土の中に数千億もの微生物がいる。その微生物のエサになるものが有機物である。化学肥料を蒔けば土の中の微生物はエサがなくなり死んでしまう。
その結果土も死んでしまうのだそうだ。土も作物も、微生物も虫も周りの環境全てが生きている。

 土作りを上手に行えば作物は少々の病気には負けず健康に育つ。虫が多少出ても、その虫を食べる虫やクモ、鳥などがいる。環境が整った畑では農薬も要らず収穫量も多い。反対に長く無機肥料を与え続けた土は土壌の劣化、汚染が深刻であるらしい。
 土と作物の関係、自然な営みの大切さを改めて知った。本から学ぶのではなく、土に入り、土を触り、そして虫を眺めながら土が生きていることを実感できたことは幸せだ。

 私はアレルギー体質であったこと、大きな病気をした経験から身体は食に支えられていることをここ10年学習している。ダストアレルギー性気管支喘息での入院から薬(ステロイド)による弊害が身体に出始めた時、ある漢方の先生からまず食をきちんとしようと指導を受けた。良質のオーガニック食のすすめであった。

水、野菜、穀物など。当たり前のことではあるが、私たちのからだの細胞、血、肉、骨など全て食べ物が基本である。直接口にする食品や食材を選ぶということがいかに大切か。ためた知識はノート10冊分を越えているが、ここ数年は実践(食べること)ばかりではなく育ててみることにもチャレンジしてきた。その一環が黒米作りである。

我が家ではご飯は5分米と玄米3:7の比率に黒米、時には赤米を混ぜる。ようく噛むと甘みが増してくる。これはもう6年続けているが、体の調子が非常にいい。
 今年はお正月の餅つきの際にも黒米を混ぜてみた。うっすらと綺麗なピンク色のおもちになった。・幸せの春餅・だ。これに気をよくして一つ新しいレシピを思いついた。

 玄米2合に対して2つまみの黒米を混ぜる。それにきれいなそら豆を混ぜて一緒に炊く。古伊万里のお茶碗に盛って、上に桜の花びらを散らす。なんとも目に鮮やかな春の椀が出来上がった。黒米入りの春ご飯である。

 「身体に優しい食べ物をいかに楽しく食べるか」これも一つのテーマである。食物を選ぶこと、食べることにも頭を働かせなければいけない時代であると感じる。大切な自然の恩恵を上手に活かす賢さを身につけるべきかもしれない。多くの方々と情報交換出来ることがあれば、それも大変に幸せなことであると思います。